【秋華賞】レイアー51秒5!武豊うなる
「秋華賞・G1」(13日、京都)
その手に残る、心地良いしびれ。そして心が浮き立つような加速‐。スマートレイアーの背中で味わった幸福感を、武豊はこう表現した。「抜群でした。素晴らしい動きでしたね」。これ以上は望めない。名手をうならせるほど完璧な9日の栗東坂路でのリハーサルだった。
関節の可動域が大きく、重心もぶれない。刻んだタイムは4F51秒5‐37秒3‐12秒1。流れるようなフォームで傾斜をとらえ、楽な手応えのまま併せたツルオカハチマン(4歳500万下)にきっちりと先着した。
ここまで4戦3勝。桜花賞当日に行われた未勝利戦を、経験馬相手に好内容で勝ち上がった段階で、鞍上は大きな舞台を意識したという。「デビュー戦は自分のなかでは衝撃的でした。テンションは高めですが、乗り味が良くスタートも上手。秋になればと思っていましたし、前走(夕月特別1着)がこの馬本来の姿でしょう」とうなずく。
管理する大久保龍師も意欲のほどを隠さない。「中2週になりますが、疲れもないので調教はしっかりとやりました。京都の内回りコースにも対応してくれると思います」。JRA、海外、地方通算でのG1・100勝まであと1勝と迫っている武豊のエスコートで、同世代牝馬の頂点へ。ドラマの幕はもうすぐ開く。