【秋華賞】武豊G1・100勝お預け
「秋華賞・G1」(13日、京都)
3番人気のメイショウマンボが、直線で堂々と抜け出す完勝劇でオークスに続く2冠奪取に成功。冷静にパートナーをVへと導いた武幸の手綱さばきが光った。2着は2番人気の武豊騎乗のスマートレイアーで、武兄弟のワンツーフィニッシュ。
兄弟で明暗が分かれた。キャリア5戦目、重賞初挑戦ながら、弟・幸四郎が騎乗する3番人気のオークス馬をしのぐ2番人気に推された兄・豊のスマートレイアーだったが、スタンド前の発走、内回り、全てがマイナスに作用して2着。名手の国内外G1通算100勝の大記録達成は、次週以降へ持ち越しとなった。
「ゲートの中でイレ込んで、出遅れてしまった」と鞍上は唇をかむ。間近で聞くG1独特の大歓声に気負って後手を踏み、後方2番手に。「キャリアの浅さが出てしまいました。パドックから直前までは落ち着きがあったのに」と大久保龍師も、スタートでリズムを崩したことを敗因に挙げた。
気持ちを切り替え末脚勝負に徹し、外から懸命に差を詰めるも連対を死守するのが精いっぱい。「初めて強いメンバーと走ったわけだから」。さばさばした口調だが、表彰式へ向かう弟の姿を遠目に見やり、悔しそうな表情を浮かべた。
それでもキャリアを考えれば、今後に大きな可能性を感じさせる2着だ。「能力は見せてくれました」とトレーナーは前を向く。「次は未定ですが、どこかで大きなところを獲らせてやりたい」。G1奪取へ確かな手応えを口にした。