【菊花賞】フルーキー好相性浜中が導く
「菊花賞・G1」(20日、京都)
皐月賞馬ロゴタイプもダービー馬キズナもいない菊花賞。クラシックホース不在の過去16回を振り返ると“春のクラシック不出走馬”が6度優勝。しかも現在、04年デルタブルース、08年オウケンブルースリ、10年ビッグウィークと3回連続で制している。今年は菊と縁深い野分特別を勝ったフルーキー、1000万下特別を圧勝してきたバンデの上がり馬2頭に注目だ。
歴史は繰り返す。野分特別と菊花賞。トライアルでもなければ、距離、コースと条件もまるで違うが、不思議と結びつきが強い。00年以降、昨年までに3歳牡馬が野分特別を勝った例は3回。その3頭の勝ち馬全てが菊花賞に駒を進め、02年ヒシミラクル(10番人気)、09年スリーロールス(8番人気)の2頭が人気薄で勝ち、残る1頭の08年スマートギア(5番人気)も4着と健闘した。
そして、今年の“注目レース”を勝ったのは3歳牡馬フルーキー。デビューから4戦はマイルを使われたが、1800メートル戦に出走した途端に連勝を決めた上がり馬だ。仕掛けてから、もたついていた以前とは違って反応が良化。距離延長でセンスの良さが開花した。「短距離血統かと思っていました。距離はやってみないと分かりませんが、折り合いもつくし息を抜いて走るので持つんじゃないかと思っています。まさかこの馬で菊花賞に行くとは思っていませんでしたが…」。数々のG1を制する角居師も驚きのうれしい誤算だった。
初騎乗から2連勝と相性のいい浜中とのコンビ。昨年、全国リーディングに輝くなど、トップジョッキーとして定着した若武者が初めてG1を制したのが09年の菊花賞。そのスリーロールスと同じ野分特別からの参戦だけに力も入る。1週前追い切りにも騎乗し、「動きが良かった。ゴール板まで引っ張りきりでした。気持ち良く走っていたし、リラックスしていて、力を出せる仕上がり」と確かな手応えをつかむ。
王道を進む僚馬エピファネイアに対し、こちらは別路線からの新星。いきなりのG1挑戦で大金星をつかむ。