【菊花賞】マジェスティ豊の感触は抜群

 「菊花賞・G1」(20日、京都)

 逆転戴冠へ、神戸新聞杯の2、3着馬が力強く存在感をアピールした。クラシック最終章の追い切りが17日、東西トレセンで行われ、マジェスティハーツは栗東芝の併せ馬で豪快に先着。G1通算100勝がかかる武豊の感触は抜群だ。またサトノノブレスも栗東CWでラスト重点に上々の動きを披露した。トライアルではエピファネイアに完敗した2頭だが、ここ一番で簡単に引き下がるつもりはない。

 雨上がりの栗東芝でマジェスティハーツが一発逆転への準備を整えた。3馬身先行するラインスピリット(2歳未勝利)を目標に折り合って進み、外へ持ち出された直線で武豊が軽くゴーサインを送るとスッと反応。6F77秒5‐36秒4‐11秒2のタイムであっさりと3馬身突き放した。

 4戦ぶりにコンビを組む名手は、2週連続で追い切りに騎乗。「先週もいい動きだったけど、きょうもものすごく良かった。気合も乗ってきたし、きっちり仕上がったと思う」と好感触を伝える。一戦ごとに末脚の威力がアップ。前走の神戸新聞杯は最後方から、エピファネイアを0秒7も上回るラスト3F33秒6の豪脚で2着を確保した。「トライアルはいいレースをしていた。2400メートルを走れたのも良かったと思う」と手応えをつかむ。

 G1通算100勝がかかっていた秋華賞はスマートレイアーで2着。「先週は弟(武幸)に阻止されたからね。できれば早めに達成したい」。過去4勝を挙げる菊花賞は、88年にスーパークリークでG1初Vを決めるなど相性は申し分ない。

 大外(8)枠(18)番は、04年デルタブルースに06年ソングオブウインドと過去10年で2勝している。「真ん中くらいが良かったけど、ここなら開き直っていくしかない。あとはジョッキーに任せます」と森助手は鞍上に全権委任の構え。「1頭強い馬がいるのであくまでもチャレンジャーだが、3000メートルだけにつけ入る隙はあると思う」。菊の勝ち方を知る天才が気合を入れ直した。

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