【天皇賞】ヴェルデ本番でも台風の目だ
「天皇賞(秋)・G1」(27日、東京)
本番でも波乱を巻き起こす‐。京都大賞典を11番人気で制したヒットザターゲットは、精神面が成長し、充実一途。ここは距離もベストで、陣営のムードも盛り上がっている。一方、オールカマーを9番人気で勝ったヴェルデグリーンも爪の不安が解消され、好調をキープ。秋初戦でアッと言わせた5歳馬2頭が、再び大駆けを狙う。
オールカマーを9番人気で制したヴェルデグリーンが、本番でも台風の目になりそうだ。三野輪助手は「競馬を使うとガタッとくるところが見られる馬だが、この中間は食欲が落ちていない。今はいい状態だよ」と出来の良さに胸を張る。
躍進の要因となったのは体調面。今春までは爪に不安を抱えていた。そのため、新潟大賞典後、蹄を削り夏場を休養。新しい爪が伸びるまでじっくりと待った。相沢師は「蹄鉄(ていてつ)を含めていろいろと工夫したことが功を奏している」と説明。爪の不安が解消されたことで、本来の力を出せるようになった。
陣営はデビュー前から素質を高く評価していた。厩舎に初G1をもたらした99年オークス馬ウメノファイバーの孫。指揮官にとって思い入れの強い血統だ。「この血統だから言うわけでもないが、早くから期待していた馬」。2走前こそ10着だったが、今年に入って5戦4勝。勢いはメンバー屈指だ。
「相手は強くなるけど、今は充実しているからね」とG1初挑戦でも臆するところはない。祖母が樫の女王に輝いた府中で躍動する。