【エ女王杯】ヴィルシーナ春秋2冠リハ

 「エリザベス女王杯・G1」(10日、京都)

 史上初となるヴィクトリアマイル‐エ女王杯の春秋制覇なるか。ヴィルシーナは栗東坂路で併せ馬。力強い走りで楽々と併入し、秋初戦をひと叩きされた効果を伝えた。最強世代といわれる4歳馬が昨年2着の雪辱を期す。1番人気に推された秋華賞で4着に終わったデニムアンドルビーも栗東CWの3頭併せで軽快な動き。外回りコースで逆転を狙う。

 主役の座は譲らない。目標の一戦に向けてヴィルシーナの出来が急上昇してきた。最終リハは栗東坂路での併せ馬。アグン(4歳500万下)を1馬身半追いかけてスタートすると、馬体を並べたのは残り100メートル。岩田の仕掛けに反応し楽々と併入を果たした。タイムは4F54秒8‐40秒0‐12秒6。「先週CWで結構やっている(5F68秒6‐11秒7、G前一杯)ので今週は流す程度。いい追い切りができたし、状態も上向いている」と鞍上は満足げに話した。

 休み明けの京都大賞典は逃げて8着。「行く馬もいなかったので主張した。厳しい流れになった」。初コンビで結果を出したデイリー杯クイーンC以来、約1年8カ月ぶりの騎乗を振り返った岩田は「古馬になってどっしりとしている」と成長ぶりを評価した。

 3歳牝馬3冠は全て2着。立ちはだかったのは自身がまたがったジェンティルドンナだった。ライバルとして研究を重ねてきただけに、その性能も熟知している。「瞬発力もあるし、長くいい脚も使える。どんな競馬でも対応できる」と手応えを口にする。

 友道師も自信をのぞかせる。16キロ増だった前走には「太めではなく成長。ひと回り大きくなった」と感心。1年前と比較し、「昨年はオークスのあと疲れが抜けなくて始動が遅れた。今年は早くから動かせたからね」と順調ぶりに胸を張った。

 「ずっと悔しい思いをしてきた」。無冠に終わった昨年とは違う。春はヴィクトリアマイルで悲願のG1初制覇。秋は昨年2着に敗れたエリザベス女王杯のリベンジに燃える。「ここが最大の目標。1回使ってガラッと変わってきた。秋ももうひとつ獲りたい」。世代交代を狙う3歳馬とは初対戦となるが、「比較は分からない。ただ、4歳世代はかなり強い。これだけは、はっきりと言える」。史上初となるヴィクトリアマイルとの春秋制覇へ向けて、トレーナーは力強く言い切った。

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