「ファンタジーＳ・Ｇ３」（９日、京都）

　やんちゃ娘が名手のエスコートで重賞初制覇を成し遂げた。パドックではイレ込んでいたベルカントだが、ゲートが開くとスッとハナへ。絶妙なペースで運び、４角を回ったところでも余力は十分。直線に入っても脚色は衰えず、楽々と押し切った。

　能力は高いが、ネックは気性の激しさ。武豊は「もう少し落ち着いてくれるといいんですが」と言いながらも「ただ、１４００メートルで勝ったのは大きいと思う」と今後に向けて手応えをつかむ。開業３年目で初めて重賞タイトルを手にした角田師は「（騎手時代に）乗っている時よりドキドキする。ホッとした」と顔をほころばせた。

　課題を克服するために陣営はさまざまな対策を行った。指揮官は「メンコをしたことでましになったね。リングバミにもした。それにジョッキーの進言もあり先に馬場に入れたのも良かったみたい」と効果を感じ取る。

　次戦に見据えるのは２歳女王決定戦の阪神ＪＦ（１２月８日・阪神）。「Ｇ１の舞台になっても落ち着かせられるようにしていきたい。調教も強化していかないと」とトレーナー。勝利の余韻に浸る間もなく、勝って兜（かぶと）の緒を締めた。