【マイルCS】シャーク福永手応え
「マイルCS・G1」(17日、京都)
G1タイトルの獲得へ機は熟した。ダノンシャークは13日、栗東坂路で併せ馬。低い重心を保ったままツルオカハチマン(4歳1000万下)に並びかけ、しっかりとフィニッシュを決めた。4F54秒6‐39秒6‐12秒9のタイムは一見平凡ながら、雨の影響で力のいる馬場状態だったことを考慮すると胸を張れるラップ。臨戦態勢は整ったと判断していい。
「水分を含んでソフトな馬場だったけど時計、動きともに良かった。体調は高いレベルで安定しているし、順調に調教を消化できているのが何よりだと思う」。昨春のエプソムC2着以来のコンビ復活となる福永は、2週連続でケイコに騎乗。確かな手応えをつかみ、より自信を深めた。
直前になって回避馬が出たことにより出走権を得た昨年(6着)とは、ここまでの過程が違う。今年は賞金を加算しつつ逆算してローテを組み、体調をアップさせてきた。6戦続けてマイル戦に投入できたことは大きい。
「前走(富士S1着)は流れが遅く、馬体重も(12キロ)減っていて心配したが、力ではね返してくれた。随分成長してくれたと実感できたことは確か」と大久保龍師。スワンS4着をステップに挑んだ昨年より1週長く間隔を取れたことで、十分にリフレッシュができたという。「気持ちの面でもいい状態で臨める」。今年こそ‐という思いをにじませ、静かにうなずいた。
以前は馬房の前を通っただけで威嚇してきたシャークが、今は頭をなでることができるようになった。イライラした面が影を潜め、信頼関係は深まった。不安を抱えていた爪の状態も完治。心身両面、全てのパーツが滑らかに動き始めている。
今春の安田記念1、2着馬は不在。マイルのスペシャリストとして譲れない舞台だ。福永が「結果の求められる馬」と力を込めれば、トレーナーも「悪い結果になることはないと思っている」と手応えを感じ取っていた。