【JC】内田博がゴールドに闘魂注入

 「ジャパンカップ・G1」(24日、東京)

 本来の動きを取り戻した。秋初戦の京都大賞典5着からの巻き返しを狙うゴールドシップが20日、栗東坂路で貫禄の先着。先週に引き続き駆けつけた内田博を背に、沈むようなフォームで駆け上がった。G1・5勝目をもぎ取る。

 行きっぷりも反応も一変した。内田博が先週、豪快なアクションで手綱をしごき、闘魂を注ぎ込んだことでゴールドシップは覚醒。栗東坂路のラスト1Fを待たずして、併せたシャドウバンガード(4歳1600万下)をリード。軽く気合をつけられると、その差をさらに広げて行く。余力残しで4F54秒9‐40秒0‐13秒2。貫禄の2馬身半の先着を決めた。

 主戦はこの日、浦和記念で騎乗があったが、その前に感触を確かめるため、先週に続き栗東へ駆けつけた。馬場が荒れた時間帯ながら、その熱い思いに応えるような動きに、見守った須貝師は「いい時に見せる沈むフォームを確認できました」と笑顔を見せた。

 秋初戦だった前走の京都大賞典は5着。圧倒的1番人気に支持されながら掲示板を守るのが精いっぱいだった。「強引に行き過ぎたことで、やる気をそいだのかも」と内田博は振り返りながら敗因を分析。「(今回は)走りたいように走らせるつもり」と小細工はせず、自然体で臨むつもりだ。昨年暮れの有馬記念でエイシンフラッシュを、今春の宝塚記念ではジェンティルドンナに完勝している。地力や実績では頭ひとつ抜けた存在と言っても過言ではない。

 気まぐれな性格だけに「競馬はやってみないと分からないけど」と指揮官は前置きをしつつも「内田博君が(ゴールドシップと)うまくコンタクトを取って乗ってもらえれば、結果はついてくると思います」と胸を張った。重賞初制覇を飾った府中で、前哨戦の悪夢を振り払い、平成の芦毛の怪物がG1・5勝目を奪う。

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