【JC】ジェンティル史上初連覇へ万全
「ジャパンカップ・G1」(24日、東京)
史上初の連覇へ準備万端。昨年の覇者ジェンティルドンナは20日、栗東坂路で軽快な動きを披露した。今年はまだ勝利を手にしていないが、昨秋、オルフェーヴルと激闘を演じた舞台で真価を発揮する。
早朝の栗東坂路に現れたジェンティルドンナは伸びやかにして美しかった。現役最強牝馬の放つオーラが遠ざけるのか。最も混雑する時間帯でも、周囲の馬が一歩引く。単独で淡々とキャンターを刻み始めた登坂は、全く楽な手応えのまま頂上までたどり着いた。
4F53秒8‐39秒4‐13秒0。しなやかなフットワークが際立って見える。石坂師も「単走でそこそこ時計が出たらいいと思っていたが、イメージ通り」と万全の仕上がりと受け取った。
調整過程としてはムーアを乗せた1週前にほぼ出来上がっている。「ジョッキーも馬の感触をつかんでくれただろう。1回またがったのと、またがってないのでは違うやろう」とトレーナー。できることを全てやってきた自負がある。初コンビのムーアも「1週前追い切りに乗った印象は非常に賢い馬。人間に従順で反応も良く、自分を満足させてくれた」と好感触をつかんでいる。
昨年のジャパンC覇者にして年度代表馬。ところが今年は3戦してまだ白星がない。じくじたる思いはトレーナーの中にも募っているに違いない。石坂師はそこに切り込まんとする空気を端的にはね返した。「リセットです。いろいろ思うことはあるけど」。語るに足るのは結果しかない。そう自らに言い聞かせているようにも見える。
だから指揮官は確信を持てる事実しか述べない。今年4戦目にして、今年初の“叩き2走目”。「状態キープ?そう思うよ。少なくとも悪くはなっていない」。府中の12F戦はオークス、ジャパンCと2戦2勝。連覇への条件は整っている。