【JC】武豊ターゲットで“金星”狙う
「ジャパンカップ・G1」(24日、東京)
競馬界のスーパースターが新たな第一歩を踏み出す。先週のマイルCSをトーセンラーで制し地方、海外を含めて通算G1勝利数を100の大台に乗せた武豊。101勝目を狙って今週コンビを組むのがヒットザターゲットだ。前走の天皇賞・秋で7着に敗れ、立場こそ伏兵だが、天才は貪欲に勝利を目指す。一方、外国馬ではアイルランドのシメノンが東京ダートで元気にインターバル追いを敢行。本気度は高い。
前人未到の快挙を達成しても決して歩みを止めることはない。次の勝利を目指し、新たな戦いの舞台に身を投じる。G1通算100勝目を飾った武豊は、101勝目を狙い初コンビのヒットザターゲットで参戦する。「うまく立ち回りたいね。距離も良さそう。ここでは実績的に劣るかもしれないが、一発を狙いたい」と前を向く。
天皇賞・秋は7着に敗れたが、重賞3勝を挙げるなど底力を秘める。2走前の京都大賞典では11番人気の低評価を覆し、2分22秒9の好時計でV。「実際にゴールドシップとトーセンラーを負かしているわけだから。2走前のようなレースができればいいね」と勝利への青写真を描く。
不思議な縁も感じている。2走前に重賞を勝った日は、同じ前田晋二オーナーが所有するキズナで凱旋門賞に参戦。「ちょうどパドックでヒットザターゲットが勝ったのを聞いた。その時は、まさかこうして乗ることになるとは思ってもみなかった」。これまでもチャンスを生かし、数々の大記録を打ち立ててきた。今回、立場はあくまで挑戦者だが、全力で挑む姿勢に変わりはない。
20日に栗東坂路で初めてコンタクトを取り「感触以上にいいタイム(4F51秒3)だった。状態は良さそうだね」と手応えをつかむ。21日は出走馬17頭と枠順が確定。【8】枠(16)番と外になった枠順に、高井助手は「できれば内枠がほしかったんですが、あとは豊さんに任せるだけですね」と期待を寄せた。さえ渡る名手の手綱さばきで、世界を相手に金星を狙う。