競馬より簡単、ボートレース入門講座
プロ野球はオフシーズンに突入。スポーツ紙も内情をいえば、ネタに困る季節だ。というわけで、年末年始の主役になるのは競馬、競輪、ボートレースなどの公営競技。そんななか「馬券は買ったことはあるけど、ボートレースや競輪は見たこともない」という人は多いだろう。
しかし考えてもみれば、競馬のG1はフルゲートで18頭立てだが、競輪は9車立て。ボートレースに至ってはたったの6艇立て。例えばフルゲートの馬単は306通りだが、ボートの2連単はわずかに30通り。利用の一番多い3連単でも120通りである。
当然、配当は安くなるのだが、まずは的中しなくては楽しめない。無理に当たりにくい馬券を買わなくても、最も当たりやすいボートレースに目を向けてはどうだろうか。そこで今すぐ使える入門編を紹介しよう。競馬同様グレード制を導入しているが、ここでは実力差が拮抗しているG1以上での傾向について記すので参考にしてもらいたい。
全国24あるボート場はすべて左回り。故に最も左に位置する選手が有利になる。専門用語でいえば「イン(1コース)」だが、G1以上のレースの場合、ほとんど1号艇の選手がインと取る。この時点でアタマ(1着)は(1)と決まる。2連単でも3連単でも、まずは(1)をアタマにすべし。
ちなみに、19日に行われた津ボート「SG・チャレンジカップ」初日の1コース1着の割合は、12レース中6回、2日目の20日は同4回だったが、これは極端に少ない方だ。3日目の21日はなんと同9回、4日目の22日は同6回だった。あとは残りの5艇から2、3着を選ぶだけでいい。どうです、分かりやすいでしょう。
ちなみに、近年はコース取りでも枠なりに並ぶことが多い。つまり2コースに2号艇、3コースに3号艇という順になるので、2、3着も数字の若い艇番を絡ませればいい。簡単過ぎてつまんないという人は、もう少し頭を使ってみましょう。新聞の出走表には選手名の上に必ず艇番(例えば、2松井 繁)が掲載されているが、この数字が丸中数字((3)池田浩二)なら、その選手は控えていた方がいい。フライングや出遅れ1本持ちといって、ペナルティーを課せられている選手だからだ。さらに白抜き数字((4)瓜生正義)は2本持ちなので、これはもう思い切って舟券の対象外と考えた方が賢明だ。
あまりにも簡単すぎる!もうちょっと考えたいという人は‐。エンジンの2連対率を参考にしてほしい。ボートレースはエンジンが命。特に実力差の少ない選手が集まるG1以上では、エンジンで決まるといってもいい。使用するエンジンは抽選によって決まるのだが、必ず新聞にはエンジン番号の横に2連対率が記されている。たいていは20~40%だが、当然数字が高ければ高いほど“いいエンジン”ということになる。
年内のG1以上のレースは開催中の「SG・チャレンジカップ」(~24日・津=三重県)、「G1・賞金女王決定戦」(12月12~15日・芦屋=福岡県)、「SG・賞金王シリーズ戦」(12月18~23日・住之江=大阪府)、「SG・賞金王決定戦」(12月20~23日・住之江)。特に住之江ボートはレース場の特性か、恐ろしくインが強い。12年11月から13年4月までの統計では1コースの1着率が55・6%で、24場中第2位。ちなみに1位は大村ボート(長崎県)の59・9%だった。
今ではボート場に直接行かなくても、ウインズのような場外舟券売り場「ボートピア」が各地にある。食わず嫌いは止めて、まずは足を延ばしてほしい。本当に簡単なので、はまると思いますよ。
(デイリースポーツ・坂元昭夫)