【JC】ジェンティル連覇、ムーア完璧

 「ジャパンC・G1」(24日、東京)

 見事に復権を果たした。1番人気のジェンティルドンナが、直線の大激戦から力強く抜け出すと約24センチ差で史上初のレース連覇を達成。新コンビを組んだムーアが見事に結果を出した。2着は7番人気のデニムアンドルビーでレース史上初の牝馬ワンツー。2番人気のゴールドシップは15着、3番人気のエイシンフラッシュは10着に終わり、“3強”の明暗はくっきりと分かれた。

 残り400メートル地点で先頭に立つと、ジェンティルドンナが一瞬にして抜け出す。東京コースのセオリーに照らせば早過ぎるタイミング。それでもムーアに迷いはなかった。連覇を狙うこの馬の力をもってすれば、粘り切れる。大外一気に猛追するデニムアンドルビーの姿が見えたが、きっちり約24センチ差しのいでみせた。「レースビデオを何度も見たが、今年は勝てずともいい内容のレースをしていた。馬の能力を信じていたからね」。英国のトップジョッキーはさらりと言ってのけた。

 前半1000メートル通過は同日の古馬500万下より2秒も遅い超スロー。4番手で折り合ったが相棒は向正面で行きたがる。馬の間に入れて落ち着かせ、ハミの感触が限界と見るや4角手前から早めスパートと腹を決めた。

 主戦の岩田から鞍上をチェンジする陣営の決断を電話で知らされたのは、天皇賞・秋のレース後ほどなく。米サンタアニタの開催中で、現地時間午前3時ごろにたたき起こされたという。「国内のジョッキー同士での乗り代わりなら違ったかもしれないけどね、僕は電話一本で頼まれて国外から来た。重圧?正直、全くなかった」。想定外だらけの展開にも、最後まで冷静に対応してみせた。

 「勝ったと確信していたんだけど、掲示板にはまだ数字が出ていなかったし、(10年ジャパンCでスミヨンが騎乗して2着に降着した)ブエナビスタのこともあるからなあと思い出して、ガッツポーズとかはしないでおこうと思ったんだ」。ポーカーフェースで知られ“鉄仮面”とも呼ばれる男は、そう言ってにやりと笑った。

 石坂師は「今年未勝利で悔しい思いをしたが、連覇ができて最強馬の一頭と示すことができた」と感慨深げ。今後については26日にも発表される予定だが、有馬記念(12月22日・中山)には向かわない公算が大きい。14年の現役続行は決定済みで「プランは練っているところだが、ドバイに行くことになるだろう」と指揮官。今年2着に敗れたドバイでのリベンジを含め、14年は世界でその強さをアピールしていく。

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