【JCダート】エスポ後藤と有終飾る!

 「ジャパンCダート・G1」(12月1日、阪神)

 秋のダート王決定戦の出走馬16頭と枠順が28日に確定した。長きにわたりダート界をけん引したエスポワールシチーは今回がラストラン。ここまでヴァーミリアン(現種牡馬)と並んでダートG1最多9勝をマーク。今秋、落馬負傷から復帰した後藤とのコンビで金字塔を打ち立てる。馬券は30日に前日発売が行われる。

 出合うべくして結ばれた“人馬”だったのかもしれない。

 12年5月の落馬事故から4カ月後に復帰した後藤は、その日に再び落馬。第一、第二頸椎骨折、頭蓋骨亀裂骨折と診断され、約1年間もレースから遠ざかった。最も早い騎乗依頼が盛岡の南部杯。復帰後初の重賞挑戦で、連覇のかかるエスポワールシチーの手綱を任された。「うれしかったですね。条件戦ではなくてG1。それも勝つことを求められる馬ですから。不安に思うこともあったけど、気持ちと体を高めていきました」。そう言って当時を振り返る。

 初コンビにもかかわらず、重賞5連勝中のホッコータルマエを封じて一発回答を決めた。エスポワールシチーはちょうど1年ぶり、後藤にとっては2年4カ月ぶりのG1勝ちだった。ゴール入線後には右手を上げてガッツポーズ。「佐藤さんならどう乗るか?と…。なり切っていたので」。エスポの主戦ジョッキーで、負傷して戦列を離れている佐藤哲をまねたポーズだった。

 2戦2勝。息の合うコンビがJCダートで3勝目を狙う。追い切りを終えた水曜朝、後藤と佐藤哲はエスポワールシチーについて、いろいろなことを語り合った。「デビューからのこと、勝ったJCダートのこと、悪くなったときの原因。思い出話のような感じで、じっくりと話を聞かせてもらいました。今回も二人で乗りますよ」。共有した時間をかみしめ、8歳馬をエスコートする。

 復帰後の後藤は、エスポワールシチーの地方2勝に加え、JRAで15勝と、病み上がりとは思えない成績を残している。「エスポがひとつのきっかけになった。感謝しているし、自分にとっては神様のような馬。ケガして良かったかなと思っているぐらい」。新記録となる、ダートG1・10勝目がかかる引退レース。「ここ2戦よりもいい。素晴らしい状態。有終の美を飾るための最高のサポーターになれたら」。完全復活の最強タッグが伝説を刻む。

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