【阪神JF】レーヴ福永と息ピッタリ

 「阪神JF・G1」(8日、阪神)

 敵は身内にあり。2頭出しで臨む松田博厩舎の一角、レーヴデトワールは4日、栗東CWの3頭併せで最先着を果たし、万全の仕上がりを誇示した。2歳女王決定戦の攻略ポイントと血統を熟知する鞍上とともに、僚馬ハープスターの前に立ちはだかる。東の切り札マーブルカテドラルは美浦Wで追われ、精神面の成長をアピール。栗東坂路のレッドリヴェールは併走先着で好仕上がりを印象付けた。

 まさしく人馬一体。初コンビとは思えないほど、福永とレーヴデトワールの呼吸はピタリと合っていた。栗東CWでの最終リハ。上下動の少ない滑らかな動きが、コンビの相性の良さを伝えた。

 序盤は、今開催のデビューを目指す2歳新馬のレッドフォースとスカイラインを3馬身追走。前に壁をつくってスムーズに折り合うと、直線は内を突いてシャープな伸び脚を披露した。6F84秒5‐39秒7‐12秒7とタイムはさほど目立たないが、ゴール前は余力残しの手応えで半馬身先着。実戦を想定した中身の濃い内容だった。

 引き揚げてきた鞍上の笑みが確かな手応えを物語る。「初めてだったので、最初の1歩目からコンタクトを大事に。おとなしくて従順。しつけが行き届いていて乗りやすい」

 頭脳派らしく既にシミュレーションはバッチリ。だが実際に感触を確かめて、新たな発見もあった。「2戦目(萩S6着)は少し気難しさを見せたのでどうかと思っていましたが、きょうはそんなそぶりもなかった。切れる馬ですね。ゴーサインを出してからすぐにスピードに乗るというよりも、少し時間がかかってそこからいい脚を使うイメージ。阪神の外回りはぴったりじゃないかな」。期待以上の走りに、Vへの手応えをより膨らませた。

 松田博師は馬上から好感触を伝えた鞍上に「そうやろ~。乗りやすいやろ~」と安どの表情を浮かべた。くしくもハープスターとは同じような脚質。「そのあたりがどうかな。レーヴの方が少し前なのかな」と悩ましげに本番を見据えていた。

 福永にとって、阪神JFは単独トップの3勝を挙げている得意なG1。10年には3歳上の姉レーヴディソールをVへと導いた。「しっかりとした馬体の持ち主。乗りやすいところはそっくりだね。追い切りでは非常にいい動きを見せてくれた。いい内容で、いい結果を出せれば」。運命の赤い糸に導かれた新コンビが、僚馬の最大のライバルとなる。

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