【朝日杯FS】エクスプレス初芝も十分
「朝日杯FS・G1」(15日、中山)
ダートでの2連勝とはいえ、アジアエクスプレスはデビュー戦が5馬身、オキザリス賞が7馬身差のV。圧倒的な勝ちっぷりが潜在能力の高さを物語る。初芝ながら、父ヘニーヒューズは日本で芝の重賞ウイナーを輩出。対応する可能性は十分にある。一方、3戦2勝のウインフルブルームは陣営が一戦ごとに特徴を把握。手応え十分で送り出す。
ダートで2連勝中のアジアエクスプレスが、異例のステップで2歳王者を目指す。新馬戦は追走に苦労しながら直線で外に持ち出すと豪快に差し切って5馬身差V。前走は積極策から早め先頭に立ち、7馬身突き放す圧勝。時計は同日の古馬1000万より0秒3遅いだけで、2歳戦としては出色だ。
川崎の全日本2歳優駿に登録したが現状は補欠2番手。芝適性も含め、将来を占う意味で朝日杯FSへの挑戦を決めた。勝ちっぷりのインパクトはメンバー中でも一、二だろう。となると問題は芝を克服できるか。530キロを超える巨漢馬。米国産馬らしい筋骨隆々の体は、ダート向きかと思わせる。
6日には芝に入れて調整。手塚師は「何とも言えないな」と慎重だが、またがった平塚助手は「前走はスタート後の芝の走りも問題なかった。身のこなしが柔らかく、それなりに素軽さはあるし、ダート馬という感じはしない」と感触を話す。
実際、父ヘニーヒューズの産駒には、ファルコンSを勝ったヘニーハウンドがいる。同助手は「父は写真で見ただけだが感じが似ている。いい状態をキープしているし、上積みはあると思う。まだ競馬で遊んでいる。全部がかみ合えば」と潜在能力への期待は大きい。
92年の桜花賞馬ニシノフラワーはダート戦でデビューした。札幌のダート1000メートルを圧勝し、阪神3歳牝馬S(現阪神JF)まで4連勝。同馬は2戦目以降が芝だったから同一視はできない。だが、アジアエクスプレスも相当な潜在能力を秘めているのは確かだ。