【有馬記念】フラッシュ有終Vへ順調
「有馬記念・G1」(22日、中山)
有終Vへ向け、抜かりのない仕上げが施される。ラストランを迎えるエイシンフラッシュは12日、栗東CWで中内田技術調教師を背に、先行する僚馬クァンタムギア(2歳未勝利)を大きく後方から追走。馬なりのまま徐々に間隔を詰め、これを4角であっさりとらえると、直線では差を広げる一方。余力十分の手応えで0秒8先着を決めた。
タイムは6F83秒8‐38秒0‐11秒8。見届けた藤原英師は「いいよ。順調」と、うなずく。「ここまで何も(不安は)ないし、あったら使わない。使う以上、いつも通りにやる。これで最後やけど、特別なことは何もしていない。ケアをして体調を上げて、いつものエイシンフラッシュに持っていく」と、当週の調整を見据えて力を込めた。
前走のジャパンCで見せた“まさか”の逃げ。スタンドのどよめきが歓声に変わることもなく10着と大敗したが、本来の持ち味は直線で見せる電光石火の切れ味だ。参考外の一戦としていいだろう。「一昨年の有馬は2着やし、この前(昨年4着)も変な競馬はしていない。コース適性はある。それを信じてやっている」と反撃に意欲を燃やす。
今回が引退レースとはいえ、単なる“お披露目”で終えるつもりは毛頭ない。「ここまで長く走り、多くのファンを魅了した馬。ただ“ラスト”にはこだわらん。こだわるのは“勝つ”こと。いつも一緒や」。一戦必勝を旗印に掲げる指揮官は、最後まで貪欲な姿勢を崩さない。