「ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓ・Ｇ３」（２１日、阪神）

　ダービー２着４回の橋口厩舎に期待の新星が誕生した。７番人気のワンアンドオンリーが重賞初制覇だ。　

　完璧なレース運びだった。序盤は中団のインでロスなく運び、向正面から徐々に馬場のいい外めへ。直線では鞍上の左ステッキに鋭く反応し、豪快に差し切った。

　ルメールは「切れ味がある。クラシックを勝てる能力がある」と絶賛。橋口師は「“勝負どころは外に出して”と言っていたんだ。俺のアドバイスも少しは役に立ったかな」とおどけてみせた。

　鞍上は「ハーツクライの子、橋口先生の馬で勝てて光栄。来年のクラシックにつながるいいレースができた」。橋口師とのコンビでは、そのハーツクライで０５年有馬記念、０６年ドバイシーマクラシックを制している。万感の思いからガッツポーズも飛び出した。

　来年の最大目標はダービー。６月１日の競馬の祭典に向けて「逆算してローテーションを組む」と指揮官。悲願達成へ向けて大きな一歩を踏み出した。