【有馬記念】オルフェ池添「見届けて」
「有馬記念・G1」(22日、中山)
黄金色の馬体を躍らせて、主役が最終決戦の地へと降り立った。21日午後3時過ぎ、単勝前日オッズで1・8倍と圧倒的な1番人気に推されているオルフェーヴルが中山競馬場に到着。威厳に満ちた姿で30分ほど引き運動してから、馬房へ収まった。
「特に変わりありませんね。落ち着いている?もう、“おっさん”ですから。いいかげんにしてくれないとね」と担当の森沢助手は話し、報道陣の笑いを誘った。「いろいろなところに行っていますから。いつも通り、いい状態で送り出せそうです」。フランスへ2度遠征しているだけに、関西から関東への輸送がこたえるはずもない。
2年続けて凱旋門賞で銀メダル。特に昨年はゴール直前でかわされてしまったが、日本馬で最も世界一に近づいた。決して優等生ではない。記録に残るというより、記憶に残る5冠馬が、引退レースでどんな競馬を見せるのか。
「2年前の有馬記念は出遅れたから最後方になったけど、もう少し前で運ぼうと思っています。これが最後のレース。皆さん、競馬場に来て、その走りを見届けてほしい」。来場を呼び掛けた池添は、これまでオルフェのレース前夜に必ず、カツ丼を食べてきた。もちろん今回も、その験担ぎは忘れていない。
この3年半、池添がオルフェのことを考えなかった日はない。悔しいが、フランスでは乗れなかった。それでも集大成となる一戦を任された。万感の思いを最後の手綱に込め、有終Vを決めてみせる。