【フェアリーS】ハートロック無傷連勝

 「フェアリーS・G3」(13日、中山)

 ハイレベルの牝馬クラシック戦線に新星誕生だ。出走全馬が1勝馬の混戦を制したのは、1番人気のオメガハートロック。中団追走から鋭い決め手を発揮し、無傷の2連勝で重賞Vを決めた。2着には10番人気のニシノアカツキ、3着には4番人気のリラヴァティが入った。

 ダービーに回る馬もいるのではないかとの声も上がっている今年の牝馬クラシック戦線へ、新たに魅力のある存在が躍り出た。ネオユニヴァース産駒の素質馬オメガハートロックが重賞初Vを達成。後方から4角手前で仕掛けるとスッとポジションを上げ、最後は2着馬との激しいたたき合いを首差で制した。

 前半3Fの通過が36秒1のスローペース。スタートがひと息だったうえ、道中では行きたがるそぶりを見せたが、直線では他馬の間を力強く割って出た。戸崎圭は「能力の高さを再確認できました。最後はしっかりと伸びて勝負根性を発揮してくれましたね」と感心しきり。「距離が延びても大丈夫です」。2カ月半ぶりの実戦で、まだ良化の余地を残しながらの勝利に将来性の高さを感じ取る。

 今回は出走全馬が賞金400万円の1勝馬。阪神JF組との比較を論じるのは早いだろう。それでも異父姉オメガハートランド(12年フラワーCをV)の同時期よりひと足早いタイトル獲得と、十分な伸びしろには“可能性”が詰まっている。

 今後の進路は未定だが、レッドリヴェールを2歳女王に導いた戸崎圭にとってはうれしい悩みが増えた格好。鞍上が「これからが楽しみ」と期待する関東の新星が、牝馬クラシック戦線でどんな走りを見せるか、注目だ。

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