【京成杯】プレイ汚名返上へ態勢万全
「京成杯・G3」(19日、中山)
昨年のNARグランプリ最優秀ターフ馬・プレイアンドリアルが15日、川崎ダートで追い切られた。中間からはインターバル調教を“再導入”し、直線では抜群のフットワークを披露。地方馬として史上初のJRA・芝G1制覇を目指した前走の朝日杯FSは7着に敗れたが、汚名返上へ文句なしの態勢を整えた。栗東DPではキングズオブザサンが好時計。わざわざ栗東まで駆けつけた大野も、申し分ない手応えをつかんだ。
工夫を凝らし、なおかつ攻めの姿勢を打ち出して、プレイアンドリアルが寒風を切り裂いた。川崎ダートに姿を現すと落ち着いた様子でダクを踏む。5Fからキャンターに移行して、300メートルほど進んだところで再びダクへ。そして再び5F過ぎからキャンターに移ると一気に加速した。
直線は馬場の二分どころ。鞍上が左から肩ムチを2発入れると、5F64秒3‐37秒6‐12秒5のタイムで一直線にゴールを貫いた。「単走だからそんなに時計は出ないと思ったけど、しまいもシャープに伸びていた。やっぱり走るねえ」と河津裕師は目を丸くする。
2番人気に推された前走の朝日杯FSは前半から掛かって7着と自滅。その反省から中間は外厩の真歌トレーニングパーク(北海道新ひだか町)で、行きたがる気性をコントロールするべく前記のインターバル調教を復活させた。これは前々走の東スポ杯2歳S(2着)の前まで行っていた手法。当時はマイネルラクリマ、マイネイサベルといった古馬オープンを相手に、3頭併せの真ん中に入れて繰り返し積んでいた。
「こっちに来てからも毎日やっているけど、だいぶ制御できるようになっているよ」と師は説明する。当初は弥生賞(3月9日・中山)から始動するプランもあったが、その効果を試す意味もあってあえて参戦してきた。
「いい状態で臨める。前回はレースの直前も運動だけで力が余っていたのかもしれない。今回は直前もビッシリ追うつもり。結果を出してほしい」。同じ地方馬のコスモバルクが04年のクラシック戦線をにぎわせてから10年。“弟分”が重賞初Vを決めて息を吹き返す。