松山康師、史上初の父子で1000勝達成
タイムリミットが刻々と迫るなか、のしかかる重圧をはねのけてついに大台へ到達した。26日の中山7Rをコウジョウで制し、松山康久調教師(70)=美浦=は史上14人目、現役では藤沢和師に次ぐ2人目のJRA通算1000勝(うちG1級8勝を含む重賞37勝)を達成した。父・吉三郎調教師(故人)は1358勝を挙げており史上初の父子1000勝調教師となった。
全ての関係者、ファンの思いがコウジョウの末脚に乗り移る。ゴール寸前、測ったような差し切りV。2月いっぱいで定年を迎える師は「正直ホッとしました」とうなずいた。
76年の開業以来、通算7671戦目。ミスターシービーで83年に3冠制覇を達成するなど、ダービー2勝トレーナーは馬一筋の姿勢で名門厩舎を築き上げてきた。「まだまだ足元にも及ばないが、父も少しは喜んでくれると思う。残り1カ月、全力を尽くします」。体内に満ちる充足感に会心の笑みを見せた。