【東海S】アワーズ圧勝!役者が違う
「東海S・G2」(26日、中京)
今年から、勝ち馬にはフェブラリーS(2月23日・東京)への優先出走権が与えられる一戦を制したのは、1番人気のニホンピロアワーズ。好位追走から直線で力強く抜け出し、2馬身差で完勝した。復調を印象づけた一昨年のJCダート優勝馬が、胸を張って4週間後の砂王者決定戦へ向かう。2着はしぶとく末脚を伸ばしたグランドシチーが確保した。
ホッコータルマエ、ベルシャザールの“ツートップ”不在。古豪ワンダーアキュートの姿もない。結果だけではなく内容も問われる一戦。一昨年のJCダートで頂点を極めた誇りにかけて、ニホンピロアワーズはまさに不退転の決意で臨んだ。巨体を揺らし、勝負どころの3~4コーナーで加速すると、逃げ粘るサトノプリンシパルを直線中ほどでかわして先頭へ。最後はグランドシチーの追撃を軽々と封じ込めた。
役者の違いを見せつけた。「左回りは2度目で中京は初めてだったから、1~2コーナーではいつもの勢いを欠くところがあった。なので3~4コーナーでは意識して仕掛けて行ったけど、しっかり力を見せられてホッとしました」と酒井は胸をなで下ろした。同じ舞台で行われるG1・チャンピオンズC(12月7日)を見据える意味でも、大いに価値ある勝利となった。
「左回りは心配していなかったし、安心して見ていられました。ここで強い勝ち方をしないと、と思っていたので」と、笑顔でお立ち台に上がった大橋師は「状態を見てフェブラリーSに行こうと思っています。スッといい位置につけられるので、1600メートルも問題ないでしょう」と力強く宣言。三重県出身で名城大卒の指揮官は“ホーム”の声援を受けて、「やっぱり地元なのでいいものですね」と頬を緩めた。
膝の外傷で始動が遅れた昨年の後半。波に乗れない日々もあったが、もう完全復調と言っていい。ライバルの待つ頂上決戦で、復権を果たす覚悟だ。