【川崎記念】タルマエV、ドバイ挑戦へ
「川崎記念・交流G1」(29日、川崎)
やはり最後は役者が違った。単勝1・1倍と断然人気に支持されたホッコータルマエが直線猛追してきた3番人気ムスカテールを1/2馬身振り切り、G1・5勝目を獲得。3着には逃げたトウショウフリークが入り、JRA勢が上位を占めた。
最後にきっちり勝つのが王者の証。ホッコータルマエが自身のひとつの武器である「しぶとさ」を発揮し、勲章をまたひとつ増やした。
レースは武豊が操るトウショウフリークが一時は後続を7~8馬身引き離しての逃げ。それを「2、3番手で」と幸は作戦通りにホッコータルマエを絶好位に導いた。フリークがペースを落とした2周目3コーナー手前で早くも並びかけた。独壇場になると思われた直線は、猛追してきたムスカテールに手を焼いたが、最後はしっかり振り切った。
単勝1・1倍の断然人気が物語るように、多くのファンが抱いた楽勝ムードとは一転、ヒヤリとした勝利。だが、鞍上は「思ったより詰め寄られましたが、並ばれてからもう一回反応してくれたし、差は縮まりませんでしたから」と相棒の強さを再認識。見守った西浦師も「絶対に抜かせないと思っていました」と全幅の信頼を置いていた。
あらためて指揮官から、ドバイワールドC(3月29日・メイダン)への挑戦が語られたが、その前に予定通りのステップとしてフェブラリーS(2月23日・東京)へ向かう。「まだ、中央G1は勝っていませんから。勝ってドバイへ」と鞍上も力が入る。3着と敗れたJCダートの雪辱を果たし、真の日本代表として、世界の大舞台へ挑むつもりだ。