【東京新聞杯】シャークV態勢整った
「東京新聞杯・G3」(9日、東京)
安田記念(6月8日・東京)を見据える古馬が集う一戦。5日、栗東坂路の併せ馬で力強く先着を決めたダノンシャークのムードがいい。昨年のマイルG1・2戦はともに3着。あと一歩の“壁”を突き破るべく、今年は攻めの仕上げを施していく構えだ。
降りしきる雪のなかで光沢のある鹿毛の馬体を躍らせた。今季の飛躍の足掛かりとするべく、ダノンシャークが態勢を整えた。先行するミッキースマホ(4歳1000万下)をぴったりとマーク。頂点を視界にとらえると鋭く右側に出て並んだ。そこからの脚勢はさすが。4F53秒6‐38秒9‐12秒2を計時した走りには、G1でも奮闘しているマイラーの迫力をにじませた。
大久保龍師は理路整然と調整過程を説明。「先週まで2週続けて栗東CWでしっかりやった。だから今週は坂路で併走。予定通りの負荷をかけられた。初戦としては態勢が整っている」。見た目にも十分な状態で、コメントは額面通りに受け取っても良さそうだ。
トーンが変わったのは昨年を振り返った時だ。京都金杯を勝って最高の滑りだしを決めたが、春秋のマイルG1、安田記念とマイルCSはいずれも3着。「もうひと押しが足りなかった。(仕上げに)妥協したところがあったのかなあ」。表情の奥にため込んできた悔しさがにじみ出る。
だからこそ今年は、攻めて攻めて始動戦に臨む。上半期の目標はもちろん安田記念だ。「今年はもっと負荷をかけていこうと思っていたところ。しっかり動いてくれている」。3度目の重賞制覇へ、手応えをつかんでいるのだろう。最後はようやく、表情を崩した。