柴田大の弟・未崎がターフに帰ってくる
JRAは6日、14年度騎手免許試験の新規合格者を発表した。11年に現役を引退し、その後は美浦・斎藤厩舎で助手を務めていた柴田未崎元騎手(36)が再受験で合格。兄・大知の“復活”に刺激された双子の弟が、ターフに戻ってくる。JRA競馬学校の騎手課程30期生6人も無事に合格した。
自身よりも20歳近く年下の競馬学校卒業生に混じっても、違和感はない。じっと前を見つめ、謙虚な姿勢で質問に答えていく。スーツを身にまとい、会見場に姿を現した元騎手の柴田未崎助手は「1つでも多く勝てるように頑張りたい」と決意を口にした。
再受験の大きな後押しとなったのは兄の活躍だ。06、07年に2年連続でJRA未勝利というどん底を味わった双子の兄・大知は、地道な努力が周囲に認められて見事に復活。昨年はNHKマイルCをマイネルホウオウで制し、G1ジョッキーの仲間入りを果たした。「自分にもできることが、もっとあったんじゃないか」‐。後悔の念が押し寄せ、復帰の道を選んだ。
JRAは引退騎手の再受験に関する試験要項を今回から明文化。正式に発表されたのは昨年8月だが、「その前から何となく話は聞いていた。去年の今頃から体力づくりや筋トレはやってきました」と1年にわたってトレーニングを実施。助手として早朝の調教騎乗をこなしながら、昼夜は筆記試験の勉強に励んできた。
現役時代はJRA通算82勝。重賞Vの経験はない。厳しさは誰よりも知っている。「兄のようにうまくいくとは思わない。簡単ではない」。それでも3年ぶりにターフに戻ってきた根性と意志があれば、きっと道を開いていく。