【きさらぎ賞】スターダム無傷V3

 「きさらぎ賞・G3」(9日、京都)

 最大目標に見据えるダービー(6月1日・東京)を、くっきりと視界にとらえた。出世レースを制したのは2番人気のトーセンスターダム。中団追走から直線で末脚を伸ばし、粘り込みを図る1番人気のバンドワゴンをゴール寸前で差し切った。武豊はデビューした87年から28年連続のJRA重賞Vを達成。勝負強さを武器に3戦3勝としたディープインパクト産駒が、クラシック戦線の有力候補に名乗りを上げた。

 クラシックの切符をがっちりつかんだ。トーセンスターダムが、デビュー3連勝でクラシック戦線の主役候補に躍り出た。無敗馬のVは01年アグネスゴールド以来4頭目。武豊は「いいレースができた。デビューの時から目標はダービーと思って乗ってきたし、馬がうまく応えてくれている。賞金を加算できてクラシックの権利を獲れて良かった」と納得の表情だ。

 完璧な手綱さばきだった。序盤は逃げ争いを冷静に見ながら、5番手で脚をためた。4コーナー手前から徐々に進出を開始。右ステッキを合図に力強い末脚を繰り出し、逃げたバンドワゴンをゴール寸前で頭差とらえた。

 池江師は「さすが天才・武豊やね」とうなった。「2着までに入り、ダービーに向けて賞金を安泰にしたかった。勝ってくれて本当に良かった」と満点回答を出した人馬をたたえた。

 武豊は岡部元騎手に並ぶデビュー以来、28年連続でJRA重賞V、さらに父・邦彦元騎手を超えるきさらぎ賞最多の6勝目。記録ずくめの勝利となった。

 今後、皐月賞(4月20日・中山)を前に一戦挟むかは未定。鞍上は「まだゲートも悪いし、駐立もできていない。直線もフラフラしているから。人馬とも成長しないと」。素質を買っているだけに、求めるレベルは高い。3歳初戦で重賞初制覇。昨年のキズナに続く自身6度目のダービー制覇へ一歩前進した。

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