【東京新聞杯】ホエール 牡馬一蹴V
「東京新聞杯・G3」(17日、東京)
9日に降雪で中止となり、仕切り直しとなった一戦。8番人気のホエールキャプチャが牡馬を蹴散らした。牝馬には酷量となる57キロを背負ってのV。これで府中のマイルでは全て重賞に出走して4戦3勝、2着1回の成績に。春の最大目標に掲げるヴィクトリアマイル(5月18日・東京)へ向けて好発進を決めた。2着には3番人気のエキストラエンド、3着には5番人気のクラレントが入った。
片付けられた雪が左右に積まれた花道のような直線を、力強く突き抜けたのは牝馬ホエールキャプチャだった。内で競り合う牡馬たちを真っ白な馬体がひとのみ。堂々5つ目の重賞を手に入れた。
「すみません、見る目がなくて。たまげたね」。頭をかいたのは蛯名だ。3カ月の休み明けに加えて、牡馬に換算すれば59キロに相当する57キロの酷量。戦前に威勢のいいコメントが聞かれなかったのも無理はない。「先週は“もう少しかな”と思ったが、良くなっていた」。レースが1週延期された間に気配がグンと上向いたという。
府中のマイルでは11年デイリー杯クイーンC、12年ヴィクトリアマイルに続く勝利。全て重賞に出走して4戦3勝、2着1回の成績だ。田中清師は「ペースがちょうどいいのでは。コーナーが2つというのもいいのかも」とコース適性に自信ありの口ぶり。「どこを通っても一緒だけど、できるだけ(馬が)走っていないところを」と、馬場のいい外にこだわった蛯名の好プレーも見逃せない。
前2年で1、2着と好成績を残すヴィクトリアマイルを今年も春の最大目標に定める。既に繁殖に上がってもいい6歳馬だが、「そのために(現役に)残したのだから」とトレーナーは力が入る。3カ月後の大一番でも、抜群の舞台適性を発揮しそうだ。