【アーリントンC】快走アイル重賞連勝
「アーリントンC・G3」(1日、阪神)
迷いなどない。ゲートが開き、サッと主導権を握る。これまでと同様の作業を瞬時に終えた“スピードスター”の背中を、他馬は見つめているしかなかった。「いつものミッキーアイルでしたね」。冷たい小雨も、浜中の笑顔を遮ることはできない。追いすがる2着馬タガノグランパに3馬身半差をつけて、シンザン記念に続く重賞タイトルを獲得。悠々とゴールに飛び込み、連勝を4に伸ばした。
完勝だった。最初の1Fを12秒6と遅めのラップで乗り切ると、即座に11秒1とペースアップ。自慢のスピードでアドバンテージを築いたあとは、もうひとつの武器である粘っこさを鞍上が引き出した。「スタートが前回同様、抜群でした。直線は物見をして減速しかけたが、仕掛けるとまた伸びてくれた。とにかく順調にG1へ。そんな気持ちが強いですね」とうなずいた。
今後はNHKマイルC(5月11日・東京)へ直行。放牧先でさらなる成長を促し、レースの1カ月ほど前に帰厩させる予定だ。「最後は1頭になってソラを使っていた。そのあたりの課題にも対策を講じていく」と音無師は口元を引き締めた。3歳マイル王の座へ、ディープインパクト産駒の快速馬がまた一歩、階段を上った。