【弥生賞】急成長オンリー重賞連勝だ

 「弥生賞・G2」(9日、中山)

 先にある大舞台をにらみつつ、今季始動戦で重賞2勝目を狙う。ワンアンドオンリーは前走のラジオNIKKEI杯2歳SをV。7番人気の評価を覆す鮮やかな走りに、橋口師は「気性面の成長が大きい。随分と大人になった」とうなずいた。

 こんな馬も珍しい。新馬戦で12着に大敗しながら、4カ月半後には重賞を勝つまでにスキルアップした。「馬っ気を出したり、尻っぱねがすごくて。気持ちが走る方へ向いていなくて、競馬どころじゃなかったよ」。だがレース経験を積み重ねるごとに、心身ともに急成長。「以前は線が細かった体に、丸みが出た。ケイコでは目立つ時計が出る馬ではなかったのに、走るようになった。たくましくなって動ける体になったんだ」と胸を張る。

 前走後は栗東の自厩舎で調整。ここを目標に乗り込んだ。「2月からピッチを上げて、太め感もなく仕上がっている」。初コースにも「坂のある阪神で勝っているから心配はしていない。自在性もあるからね」と力強い。

 68歳の指揮官にとって、クラシック挑戦のチャンスは各レースであと2回ずつ。2着が過去4回もあるダービーでの悲願の初Vを見据えるためにも、14年の初戦は重要となる。

 「皐月賞で人気になる馬も出てくるし、楽しみ」。皐月賞へ、そして競馬の祭典へ‐。自身が手掛けたハーツクライの産駒で、重賞89勝の名将が“夢”を追う。

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