【弥生賞】粘り腰トゥザワールド 

 「弥生賞・G2」(9日、中山)

 2頭が馬体を並べて駆け抜けたゴールライン。約4センチ差で激戦を制したのは、単勝1・6倍の1番人気に推されたトゥザワールドだった。中団追走から早めに進出し、2着ワンアンドオンリーの猛追をしのいだ。4連勝を決めた良血馬が、胸を張って皐月賞(4月20日・中山)へ向かう。3着アデイインザライフまでの上位3頭に優先出走権が与えられる。

 直線で早めに抜け出したトゥザワールドを目掛けて、外からワンアンドオンリーが強襲する。さあ、どっちだ‐。馬体を並べてのフィニッシュに、場内はファンの大歓声に包まれた。写真判定の結果、トゥザワールドがわずか鼻差の勝利。その着差は“大きな大きな”約4センチだった。

 「勝てて良かった」。そう言って、安堵(あんど)の表情を浮かべたのは手綱を取った川田だ。「今回が重賞初挑戦。きょうはどこまでやれるかを見てみたかった。ギリギリでも、しのいでくれました」と、パートナーの健闘をねぎらう。自身はチューリップ賞に続く2日続けての重賞勝ち。完勝で桜花賞へ大きく弾みをつけたハープスターだけでなく、4連勝馬で皐月賞本番へ向かう。牡牝クラシックの重要トライアルを連勝し、「馬に感謝です」とほほ笑んだ。

 レースは終始、落ち着いた流れ。「前が流れてほしかったから」と、向正面では馬群の外からポジションを上げて前の組にプレッシャーを与えた。3角過ぎからは、馬の走る気に任せて進出を開始。直線に入ると一気に抜け出した。

 「ゴールの瞬間は差されたと思った」と振り返った池江師だが、「自分から動いて勝ったのだから強かった」と胸を張る。「G1なら、こんな遅い流れにはならないだろう。この馬のギアも、もう一段上がってくるはず」と自信をのぞかせた。

 父が04年のダービー馬キングカメハメハ、母が01年のエリザベス女王杯を制し、母としても活躍馬を輩出するトゥザヴィクトリー。デビュー前から注目を集めていた逸材が、連勝を伸ばして堂々と本番に駒を進める。僚馬には無傷の3連勝できさらぎ賞を制し、皐月賞へ直行するトーセンスターダムもいる。今年の牡馬クラシックは、池江厩舎の2頭を中心に展開していくことになりそうだ。

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