【中日新聞杯】マーティン兄に捧げるV
「中日新聞杯・G3」(15日、中京)
亡き兄の魂が眠る中京で、重賞初Vを決めた。キャリア18戦目にして重賞初挑戦のマーティンボロが、内から迫るラキシスを鼻差ねじ伏せて、タイトル奪取に成功。友道師は感激で身を震わせた。
「この血統で勝てたということが、いつも以上にうれしい。担当の田代助手は兄もやっていましたから」と、しみじみと喜びをかみしめる。全兄フレールジャックは、昨年7月の中京記念で故障を発症して、予後不良に。「元気が良過ぎてあんなことになってしまった。本当にショックでした」。それだけに同じ中京で、兄にささげる勝利を飾ったことが、喜びを倍増させた。
騎乗したバルジューも、歓喜の表情。「とてもコンディションが良かった。レース中もリラックスしていたし、いい結果が出せました。久々に重賞を勝てたし、“グレートデー”だね」と、03年のフェアリーS(マルターズヒート)以来となるJRA重賞Vに、満足そうにうなずいた。
次走は未定ながら「宝塚記念(6月29日・阪神)を目標にしたい」と指揮官。まだ5歳、さらに8月という遅生まれだけに、今後の伸びしろは大きい。「去年の秋からずいぶん成長してくれている。これからまだ良くなると思うから」。兄の夢も乗せながら、さらなる高みを目指していく。