【スプリングS】エクスプレス止まらん
「スプリングS・G2」(23日、中山)
昨年の最優秀2歳牡馬に輝いたアジアエクスプレスが、注目の始動戦を迎える。春は芝路線を歩むことが既に決まっているが、今回はクラシック路線に進むか、NHKマイルC(5月11日・東京)に向かうかが判断される重要な一戦だ。
スピード&パワーを兼ね備え、無傷の3連勝で世代の頂点に立った“スーパーカー”。ダートで2連勝を決め、3戦目も当初は交流G1・全日本2歳優駿を予定していた。だが、補欠候補のままで出走はかなわず。そこで陣営は朝日杯FSへの出走を決断した。
結果は初芝とは思えぬ、堂々とした走りでの完勝だった。後方集団から徐々にポジションを上げ、最後はメンバー最速の上がり3F35秒3の豪脚を発揮。同世代の精鋭たちをなぎ倒し、一気に2歳王者にまで上り詰めた。
その後は福島県のノーザンファーム天栄でリフレッシュ。始動戦へ向けて、十分な乗り込みを消化してきた。今回から手綱を取る戸崎圭も2週続けて追い切りに騎乗。美浦Wで5F65秒1‐37秒9‐12秒9をマークして僚馬2頭に先着した動きに、「反応も良く、動きも機敏。申し分のない内容だった。大型馬だけど、重々しいところも全くない」と高い評価を与えた。
手塚師は2年前に苦い経験をしている。同じく3連勝で2歳王者に輝いたアルフレードが、始動戦のスプリングSで12着に大敗。「あの時の反省を踏まえて、しっかりと仕上げてきた」と万全の態勢を強調する。同じ轍(てつ)は踏まない。初戦から王者の走りを見せつける構えだ。