「スプリングＳ・Ｇ２」（２３日、中山）

　２歳王者アジアエクスプレスが、始動戦へ向けて文句なしの動きだ。新コンビの戸崎圭を背に１９日、美浦Ｗで３頭併せ。桜花賞馬アユサンと併入して態勢を整えた。惜敗が続く素質馬クラリティシチーも美浦Ｗの併せ馬で力強く先着。これまでのうっぷんを晴らす。

　ひと回り成長した姿を見せつけた。２歳王者アジアエクスプレスに、戸崎圭が３度目の追い切り騎乗。新コンビは完璧にコンタクトが取れている。

　美浦Ｗ。６Ｆで僚馬グランツ（３歳５００万下）を１秒、アユサン（４歳オープン）を２馬身前に置いて追走する。直線に向くと、これらの真ん中に入れた。外のグランツが早々に脱落。いったん先頭に出て、最後はアユサンと併せ馬になったが、馬なりのまま併入した。

　手塚師は「真ん中に入れるように指示。ひと追いごとに良くなっている。休み明けでも体はできた」と満足そうにうなずいた。「自分からハミを取って、やる気になった。二の脚が少し遅い馬だし、１角の入りとコーナー４つという点が課題かな」と、コース適性以外は心配していないようだ。

　クラシックか、ＮＨＫマイルＣか‐今後の進路を決める大事な一戦だ。トライアルとはいえ、中途半端な仕上げでは臨めない。戸崎圭は「反応を確かめた程度ですが、手応え十分に抜け出した。１週ごとに走る気になってきた。走る馬は賢い。力を入れるところ、抜くところが分かっている」と笑顔を見せた。

　南関東所属時代、フリオーソで交流Ｇ１を４勝した。デビューからダートで連勝したエクスプレスと比較して「こちらの方が素軽いですね」と言う。「掛からないし、フットワークからも距離は問題ないはず。今の中山は３、４角でスタミナを使う馬が多いが、荒れた芝も向いていると思う」。自信を深めたのは間違いない。