【スプリングS】ギガンティア皐月照準
「スプリングS・G2」(23日、中山)
直線早め抜け出した3番人気のロサギガンティアが、1番人気アジアエクスプレスの猛追を抑えて重賞初V。悲願の牡馬クラシック制覇を目指す藤沢和師にとっては、21日のフラワーCを制したバウンスシャッセ(皐月賞参戦)に続き、楽しみな駒がそろった。アジアエクスプレスが2着、3着には4番人気クラリティシチーが入り、上位3頭が皐月賞(4月20日・中山)への優先出走権をゲットした。
心地よい春風に乗って貫禄十分の走りを見せつけた。ロサギガンティアが2歳王者の猛追を許さず、皐月賞トライアル最終戦で重賞初V。意気揚々とクラシックの扉を開いた。
やや出遅れ気味のスタートだったが、強さだけが際立った。「初めてのコースで、前半は何をしていいのか分からないような感じだったけど、ずっと手応えは良かった。まだ幼い面はあるけど、強い馬だね」とM・デムーロ。道中は中団のインを追走。3角から徐々に進出すると、手応え十分に直線へ。あっという間に先行集団をのみ込むと、あとは独壇場となった。
自身は12年グランデッツァ以来のスプリングS3勝目。昨年は実弟C・デムーロもロゴタイプで制しており、兄弟での“3連覇”を決めたが、「(皐月賞で)頑張ってほしい。できれば乗りたかったよ。残念だ」。来週いっぱいで短期免許の期限が終了する名手を悔しがらせる。これには藤沢和師も「道中は掛かるかと思っていたけど、大丈夫だった。馬なりで上がって行ったし、あと200メートルくらい距離が延びても大丈夫だね」と本番へ自信を深めたようだ。
一戦ごとに確実にステップアップ。無敗の4連勝も、ケガで皐月賞の舞台を踏むことなく引退した父の無念を晴らすべく、孝行息子が素質を開花させた。皐月賞での鞍上は柴田善に決まった。「(フラワーCを勝った)バウンスシャッセと2頭で頑張ります。今年こそね」。厩舎悲願の牡馬クラシック制覇へ、早くも名将は気持ちを引き締めた。