【高松宮記念】フォーチュン一刀両断だ
「高松宮記念・G1」(30日、中京)
春のスプリント王決定戦は激しい主導権争いが予想される。流れはかなり速くなりそうだ。追い込みを得意とするシルクフォーチュンにとっては、絶好の展開が期待できる。メンバー随一の末脚でスタンドを沸かせそうだ。
既に8歳。そう言って侮るなかれ。個性的な追い込みで、スタンドを沸かせてきた古豪シルクフォーチュンが、キャリア40戦目となる高松宮記念に向け、状態を上げつつある。
「硬さがなく、前回よりも柔らかみを感じます。この前(フェブラリーS15着)はペースが遅く、2度ほど前の馬に乗り上げてしまいましたからね。競馬をしていないので、ダメージはありませんでしたよ」。藤沢則師がこう振り返るように敗因は明確。持ち味を生かせる状況ではなかった、ということだろう。
昨秋のスプリンターズSは、追い上げ及ばず9着。だが、勝ち馬に0秒6差で上がりタイム(33秒4)は、メンバー最速だった。芝、ダートを問わない二刀流だが、はっきりしているのは、ベスト距離が6Fだということ。展開の助けさえあれば、まだまだやれる。
ハクサンムーン、コパノリチャード、レディオブオペラらが顔をそろえ、主導権争いは激しくなる。「流れが遅くなることは絶対にないでしょう。自分の競馬に徹して、頑張ってほしい。そう思っています」。迷いのない末脚勝負で挑みたい、と指揮官は前を向いた。後方からこん身の追い込みを決める覚悟だ。