【高松宮記念】ムーン外枠も逃走宣言
「高松宮記念・G1」(30日、中京)
絶対にハナは譲らない。3度目のスプリントG1挑戦となるハクサンムーンが、6枠12番から逃げ切りを狙う。
西園師は28日、「欲を言えば内が良かったけど、どの枠に入ったとしても行かせます」と堂々の逃げ宣言。同型のコパノリチャードが内めの枠を引いたが「自分の競馬をするだけ。先手を主張していきます」と揺るがない。
2歳時の朝日杯FSでは16着に大敗したが、距離を短縮して素質が開花。メキメキと力もつけ、昨年のこのレースで3着に入り、その名は全国区となった。その年のセントウルSでは、絶対王者のロードカナロアを撃破してサマースプリント王に。続くスプリンターズSでも2着に逃げ粘り、G1級の実力を改めて見せつけた。
始動戦のオーシャンSは13着に失速したが、「良化途上でしたから。それでも、楽にハナへ行けたように、この馬らしいところは見せてくれました」と田中助手。あれから3週間。「体は減っているかもしれませんが、動きに関しては、去年の秋よりもいいくらい」と仕上がりに太鼓判を押す。王者引退後の覇権争いが注目される短距離界。けれんみのない逃げで、スプリント王の称号を勝ち獲る。