【日経賞】バリアシオン春盾へ視界良好
「日経賞・G2」(29日、中山)
鮮やかなひとまくり。まさに横綱相撲で決めた。ウインバリアシオンが、1番人気に応えてV。11年の青葉賞以来となる大きな白星を手に入れた。もう脚部の不安はない。岩田は「いい反応をしてくれたし、いい脚を使ってくれた。大きなところを狙える馬。次はもっと走れる」と力強く復活を宣言した。
戦ってきた相手が違う。そう言わんばかりの強気なレースぶりだった。道中は中団馬群の後ろでじっくりと待機。2周目の3角でゴーサインが出されると、一気に大外から先頭集団をのみ込む。その時点で勝負は決した。
12年秋に左前浅屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされた。復帰して3戦目。愛馬の強さを改めて確認した松永昌師は「今までで最高の体。一番強かったんじゃないか。もう脚元の心配もないからね」と頬を緩ませた。
ダービー、菊花賞、そして昨年の有馬記念で2着。一度も土をつけられなかった最強のライバル・オルフェーヴルはもういない。もちろん岩田とコンビを継続して、次走の天皇賞・春(5月4日・京都)へ。「間もあるし、ゆっくりと仕上げたい」と指揮官。悲願のG1獲りを果たし、世代の強さを証明する。