【桜花賞】ハープ完璧!3頭併せ最先着
「桜花賞・G1」(13日、阪神)
態勢は整った。チューリップ賞を制したハープスターは9日、栗東CWの3頭併せで最先着。力強いフットワークで好調をアピールした。2走前の阪神JFでは鼻差2着に敗れたが、牝馬クラシック第1弾は譲るつもりはない。なお10日に出走馬と枠順が確定。馬券は12日に前日発売される。
花冷えの栗東トレセン。朝一番にCWに姿を見せたハープスターには、気品が漂っていた。冬毛が抜け、鹿毛の美しい馬体が朝日に映える。最終追い切りでは、力強い動きで万全の状態を印象づけた。
ラウンドワールド(4歳オープン)、ビキニスタイル(3歳未勝利)との3頭併せ。向正面では僚馬を先導。2頭の外を走ったため4コーナーではいったん後れを取ったが、直線に向くと再び闘志に火がついた。右から軽く肩ムチが入った程度で、瞬時にギアチェンジ。一気に前をとらえ、6F81秒2‐37秒6‐12秒5で鮮やかに最先着を決めた。
見届けた松田博師は「ちょっと(時計は)速かった。ただ、きょうは走る気になっていたな」と愛馬の精神状態を前向きに受け止めた。「順調やな。変わりなくきている。それ以上、言うことなし。大きな上積みはなくても、無事でどうもなければ、それだけでいいさ」と力強くうなずいた。
普段は「とぼけた性格」と評する。3歳春を迎えても「ボーッとしたところは相変わらず。1頭だと尾を振ってばかりいる」。至って“普通の女の子”だ。ただ、いざレースになると一変。新潟2歳Sでは上がり3F32秒5の末脚で圧勝。前走のチューリップ賞でも大外一気の離れ業をやってのけた。心身ともに未完成だが、ポテンシャルはかなり高い。
秋には凱旋門賞・仏GI(10月5日・ロンシャン)挑戦も視野に入るが、今は目の前の一戦に集中する。レース当日は雨予報だが「天気に左右されているようじゃな。何でもこなさないとどこにも行けない。そういう馬ではないと一流馬にはなれない。俺はそう思う」と言い切る。阪神JFでは鼻差2着と惜敗し、栄冠を逃した。今度こそG1タイトルを手に入れる。