【桜花賞】ハープ上々 松田博師も余裕
「桜花賞・G1」(13日、阪神)
名伯楽に自信の笑みが浮かんでいた。ハープスターは決戦前日の12日朝、開門直後の栗東坂路を駆け上がり4F67秒5‐48秒4‐14秒7。状態の良さを軽快な脚さばきで示した。「あんなもんじゃろう」。マルセリーナ、ブエナビスタ、そして祖母のベガ‐。これまで3頭の桜花賞馬を世に送り出した松田博師は、短い言葉で合格点を与えた。
レース当日の兵庫県南部は曇りの予報。雨に見舞われる可能性もまだ残しているが、もとより師は意に介していない。「天気に左右されるようではな。それよりも、お客さんにとっては晴れてくれた方がええよ」。空模様を聞かれるたびに返してきたお決まりのフレーズが、レース前日も報道陣に向けて発せられた。
秋の凱旋門賞挑戦プランを、より鮮明にするためにも負けられない一戦。しかし、指揮官は至って泰然自若の構えだ。「(どの陣営も)勝とうと思ってやっているんやから。納得のいくレースをしてくれればいい」。ただ静かに、歓喜の瞬間を待つ。