【皐月賞】ワールド川田が最大級の賛辞
「皐月賞・G1」(20日、中山)
目下4連勝中と波に乗るトゥザワールドは16日、栗東CWの3頭併せで力強く先着。抜群の動きを披露し、万全の仕上がりを印象づけた。鞍上の川田は先週の桜花賞をハープスターで勝利。人馬ともに勢いに乗っており、目が離せない。なお、17日に出走馬と枠順が確定。馬券は18日に前々日発売される。
これぞ、極上!何も言うことはない。目下4連勝中のトゥザワールドが、栗東CWで抜群の反応を見せた。
ラスト100メートルで、クラージュドール(4歳1000万下)、ウインサーガ(5歳500万下)に並び掛け、ゴーサインが出されると即座にトップギアへ。6F81秒0‐37秒7‐12秒0の好タイムで鮮やかに最内を突き抜け、前者に半馬身、後者に1馬身先着してみせた。
「非常にいい雰囲気ですね。求めた分だけ走ってくれました。僕が今まで乗った中で一番乗りやすい馬。このクラスでこれだけ乗りやすい馬というのは初めてです」と主戦の川田は最大級の賛辞を贈る。まだ3歳の春だが、精神面も大人びている。「僕の中でこれ以上、求めるものはありません」。ここまで言わしめるのだから、世代のエースに立てる資格を十分に備えている。
ワールドにとって、何より頼もしい存在が、川田だろう。先週の桜花賞をハープスターで勝利。単勝オッズ1・2倍という圧倒的な人気を集め「レース前、ポケット(待機所)で、緊張しているのが分かりました。僕でも緊張するんだなって」と冗談めかして振り返ったが、実のところ重圧は相当にのし掛かっていた。
発走が近づくにつれ、表情は硬くなった。だが、そのプレッシャーに打ち勝っての大外一気。「本当にいい経験をさせていただきました」。川田がジョッキーとしての階段を、また一つ上がった瞬間でもあった。
狙うは1993年の武豊(ベガ‐ナリタタイシン)以来、史上5人目となる桜花賞‐皐月賞連勝だ。「(ハープスターと同じように)この子も新馬から乗せてもらって、ここまでたどり着いた。いい結果を出したいですね」。その瞳に一点の曇りもない。今の川田なら、きっと期待に応えてくれる。