【皐月賞】ライフ悲願へチャンス到来
「皐月賞・G1」(20日、中山)
悲願達成なるか。アデイインザライフは18日、美浦南ダートで軽めの調整を行った。気持ちに余裕があるのだろう、ゆったりとした走りを披露。鈴木康師は「追い切り後の状態をチェックするのがきょうの目的だったが、非常に良かったね」と満足げにうなずいた。
来年2月で定年を迎える指揮官だが、クラシックのタイトルは手にしていない。現3歳世代がラストチャンス。「オーナーが僕にクラシックを勝たせたいとおっしゃってくださり、預かることになった」と、この馬を管理することになった経緯を明かす。定年後は、もちろん他厩舎へ。それを承知の上で、何としても鈴木康師を男にしたいという池谷誠一氏の心意気を感じさせる。
それでも師はあくまでも馬優先を貫いた。「自分の私利私欲のために素質馬の将来を台無しにはできない」。もっと早くにデビューさせる選択肢もあったが、成長するまでじっくりと待った。初陣は昨年末となったが、トライアル3着で1冠目の出走にこぎ着けた。
「今年はどの馬が勝ってもおかしくはない。運が左右する舞台でもあるからね」と期待を寄せる。未完成ながら、素質は引けを取らない。最後の皐月賞で、幸運の女神がほほ笑むかもしれない。