【皐月賞】ワールド2着、池江師脱帽
「皐月賞・G1」(20日、中山)
中団の外めで折り合った2番人気のイスラボニータが、直線できれいに抜け出して完勝。1番人気トゥザワールドが2着で、3着は逃げ粘ったウインフルブルーム。4着ワンアンドオンリーまでの4頭が、ダービーへの優先出走権を獲得した。
今、この時の完敗は認めざるを得ない。外から強襲するイスラボニータを、その内で迎え撃った1番人気のトゥザワールド。坂上ではいったん先頭に立ったが、そこからの追い比べは1馬身1/4差で屈した。好位から運ぶ正攻法で、前半5F通過も60秒2とほぼ平均ペース。スムーズな展開で今回の着差は“タラレバ”の余地を挟むことを許さない。
池江師はサバサバとレースを振り返った。「勝ち馬が一枚上だった。こっちが伸びようとするところを、向こうがもっとグンと伸びた。向正面ではインに押し込めてやったと思ったが、4角で外に出したのはさすが。蛯名騎手の“技あり”ですよ」と勝者の力と技に脱帽。桜花賞(ハープスター)に続くクラシック連勝がならなかった川田も「勝ちに行っていい脚を使っているが、勝ち馬をたたえるしかない」と悔しさを表には出さなかった。
しかし、距離が400メートル延びるダービーでは結果がどう出るか。指揮官は「こちらは距離が延びてもいい。2400メートルで、適性でどこまで追いつけるかだと思う」と前を向く。鞍上も「ダービーに向けてはいい競馬ができました」と同調した。1カ月半後の競馬の祭典ではひと味違う姿を見せる‐。5連勝での戴冠は逃したが、雪辱への道は示せたはずだ。