【プリンシパルS】ベルキャニオンがV
「プリンシパルS」(10日、東京)
コンビ初結成となったベルキャニオンを鮮やかにリードして、戸崎圭がダービー(6月1日・東京)への最終切符をもぎ獲った。阪神JF(1着)と桜花賞(2着)でコンビを組んだレッドリヴェールが、オークスではなくダービーへ。しかし、鞍上は福永にスイッチとなった。勝負の世界の非情と言えばそれまでだが、ショックは大きかったはずだ。
残されたワンチャンス。託されたのが、福永のお手馬ベルキャニオンだったのは運命の皮肉か。道中は中団で折り合いに専念。直線で先に抜け出した2着馬を、最後は3/4馬身差でねじ伏せた。鞍上は「権利が獲れて良かった」と安堵(あんど)の表情。「返し馬から素質の高さを感じた。素直で上手に走ってくれました。距離は2F延びても大丈夫」と競馬の祭典を見据えた。
今回は相手に恵まれただけに次戦ではもう1、2段階の上積みが必要だろうが、この馬には心強い“味方”もいる。04年キングカメハメハ、05年ディープインパクトでダービー2勝の金子真人オーナーだ。「(昨年の)ホープフルSで2着に負けて歯車が狂ったが、何とか間に合った。本番も戸崎騎手に乗ってもらいたい」。強運で知られる馬主からは、勝利の女神がついて離れない。