【オークス】ハープ落鉄寸前?で2着に

 1番人気で2着に敗れたハープスター(撮影・三好信也)
2枚

 「オークス・G1」(25日、東京)

 鞍上の叱咤(しった)に応え、ハープスターが懸命に四肢を伸ばす。4角16番手から、大外を伸びる桜の女王。だが、先に抜け出した桜花賞3着馬をかわすことはできなかった。

 メンバー最速の上がりで大外を追い上げたハープスターだったが、これまでのような圧倒的な末脚を発揮できたとは言い難かった。距離、コース取り、馬場状態…さまざまな原因が考えられるなか、左前脚の蹄鉄が外れかかっていたのではないか、と思わせる写真がある。蹄鉄は陸上選手でいえばスパイクのようなもの。それが脱げかかった状態で走っていたとしたら、爆発的な末脚の威力をそいだ可能性は捨て切れない。

 わずか首差。単勝1・3倍の圧倒的な人気に応えられず、川田が唇をかむ。「ある程度の脚は使っているけど、進みかけてゴールが来てしまった」。もちろん想像などしていなかった敗戦だ。想定外だったのは2角過ぎか。「広がった馬が(内に)戻ってきて、前の馬とぶつかりかけて力みだした」。それでも全体的にはリズム良く走り、直線でいつもの鬼脚を爆発させるだけだったが「走り切れなかったな、という感じ。大きな支持を得ながらそれに応えられなかった。非常に申し訳ない」と肩を落とした。

 「あれで負けたら、しゃあないさ」。松田博師はサバサバとした表情で振り返る。「反応がもうひとつだった。でも、よく走っている」。上がり3Fはメンバー最速の33秒6。初の2400メートルにも「(負けても)強いのは一番強いんだから。距離じゃない」と敗因ではないことを強調した。

 2冠達成はならなかったが、輝きを失ったわけではない。生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表は「凱旋門賞には行く方向で進めます」と遠征プランに変更がないことを明らかにした。復権へ、そして日本馬初の戴冠へ‐。壮大な夢はまだ終わってはいない。

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