【ダービー】ボニータ2冠制覇へ万全
「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
皐月賞馬イスラボニータが28日、美浦Wで最終リハを行った。パートナーに遅れはしたが、馬のリズムを重視した内容で仕上がりの良さをアピール。史上23頭目、11年オルフェーヴル以来となる2冠制覇へ態勢は万全だ。なお、出走馬と枠順は29日に確定し、馬券は一部ウインズで30日に前々日発売される。
2冠奪取へ順調そのものだ。皐月賞馬イスラボニータの最終リハは美浦Wで併せ馬。6Fで1秒1先行させたコスモトゥルーラヴ(5歳1000万下)に半馬身遅れたが、終始楽な手応えで6F82秒8‐37秒7‐12秒8を記録。派手なパフォーマンスこそなかったが、軽快な動きで文句なしの態勢を整えた。
先週に続いて騎乗した主戦の蛯名は「やろうと思えばいくらでも動くけど、きょうは最後に馬体を併せるイメージで乗った。やってテンションが上がっても困るし、内容的に軽過ぎてもね」と意図を説明すると、「全体としては良かった」と満足げな表情だ。
デビュー戦を飾ったのが昨年6月2日の東京競馬場。そこからちょうど365日目の6月1日、同じ舞台で2冠奪取にチャレンジする。栗田博師は「使いながらクラシックを意識してきたが、デビューからちょうど1年でダービー。不思議なものを感じるね」と柔らかな笑みを浮かべる。この1年で大きく成長してきた。皐月賞は初めての右回りも物ともせず、クラシック1冠目を制した。「3歳の調教ゼッケンをもらった時に“81番”でびっくりした。今回は第81回のダービーだからね」と師。“競馬の祭典”には97年エアガッツ(6着)以来となるが、因縁めいたものを感じているようだ。
86年のグランパズドリームで、ダイナガリバーに半馬身差の2着に敗れた師。蛯名も12年のフェノーメノで、ディープブリランテに鼻差2着が最高だ。「運もあるだろうし、勝利の女神がほほ笑んでくれればいいね」と蛯名はうなずく。競馬界最高峰の舞台で悔しい経験を持つコンビで臨む大一番。今年こそ決めたい!その熱い思いを乗せて、4戦全勝の東京コースで、皐月賞馬がさらなる勲章を手にする。