【ダービー】ワールド雪辱へ極上切れ味

 「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)

 前走以上の出来は間違いない。皐月賞2着馬トゥザワールドの最終追い切りは28日、栗東CWで2週続けて全兄のトゥザグローリー(7歳オープン)との併せ馬。極上の切れ味で楽々と2馬身半の先着を決めた。“攻め”の調整で、体調面はさらに上向き。史上最年少での5大クラシック完全制覇がかかる川田も、タイトル奪取に意欲満々だ。なお、出走馬と枠順は29日に確定し、30日に一部ウインズで前々日発売が行われる。

 年に1度の競馬の祭典。その独特の雰囲気も緊張感も、デビューからコンビを組んできた川田とトゥザワールドには関係なかった。普段よりも圧倒的に多い報道陣の視線を一身に浴びながらも、いつも通りに落ち着いた様子で栗東CWに登場。最終追い切りは2週続けて、全兄のトゥザグローリー(7歳オープン)との併せ馬だ。

 向正面はリードする兄を、後方から見ながら冷静に運ぶ。コーナーで差を詰め、先週同様に直線は内へ。残り1Fで並びかけると、そこからの走りが秀逸だった。「音も立てず、一気にシュッとかわされた」‐併走馬に騎乗した川合助手が目を丸くしたように、1週前追い切り時よりも、さらに研ぎ澄まされた極上の反応と切れ味を披露。ノーステッキのまま一気に2馬身半突き放し、6F81秒4‐37秒9‐11秒7をマークした。

 主戦は納得の表情で振り返る。「この馬本来の動きですね。気持ち良く(体を)動かせていましたよ」と力強く言い切った。皐月賞時は馬なり中心の調整だったが、今回は先週、今週と十分な負荷をかける“攻め”の調教を積んできた。「前走は(勝った2走前の)弥生賞の疲れを気にしながら軽めに調整しているところもあった。そういう心配もなく、しっかりとやれているのがいいですね」。そう言って力強くうなずいた。

 ダービーを勝てば自身は史上8人目となる5大クラシック完全制覇に。28歳7カ月18日での達成となれば、29歳2カ月24日の武豊を抜いて史上最年少だ。「それだけ勝たしていただいて、権利を持っていることはありがたいことですね」と偉業達成を見据える。

 全6戦でコンビを組み4勝、2着2回と連対率は10割。「完成度の高い馬だけど、全体的にひと回りたくましくなった。何でも器用にこなすし、初の2400メートルも左回りも心配ないです」と全幅の信頼を置く。「いい状態でダービーまできた。相手は強いが、この子が一番いい結果を得られるよう頑張りたい」。先週のオークスでは断然の1番人気に推されたハープスターで2着に敗退。胸の内には、もちろんその悔しさも秘めているはずだ。先週の、そして皐月賞2着の雪辱を果たし、トゥザワールドを世代の頂点へ導く。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス