【ダービー】苦労人酒井が闘志燃やす
「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
出走馬18頭と枠順が29日、確定した。
ようやく巡ってきた大きなチャンス。スズカデヴィアスを駆る酒井が、騎手生活17年目にして初めてダービーの舞台に立つ。「あの雰囲気の中で競馬をしてみたいと思っていました」と静かに闘志を燃やしている。
競馬関係者なら誰もが知る苦労人だ。デビュー年こそ25勝を挙げて順調な滑り出しを見せたが、乗り馬に恵まれず、年間の勝ち星がひと桁台にまで落ち込む時期も経験。自宅にあったCDなどを売り払って、生活費を捻出したこともある。
それでも腐らず前を向き、ひたすら大好きな馬を追い続ける姿を周囲は決して見逃さなかった。元騎手で、橋田厩舎に所属する橋本美純助手の“(酒井)学なら一生懸命、最後まで乗ってくるから”という口添えもあり、前走からデヴィアスとのコンビが決定。競馬の祭典へと向かう道が開けた。
「橋本先輩のおかげで出られるわけだし、感謝しています。スッキリと納得してもらえるような騎乗ができれば」。こん身の手綱繰りで期待に応えてみせる。