【ダービー】豊スターダムでV6へ挑む
「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
前人未到のダービーV6へ‐。人一倍、ダービーへのこだわりを持つ武豊は、自身2度目の連覇にも挑む。コンビを組むのは、デビューから全4戦で手綱を取るトーセンスターダム。皐月賞11着からの反撃へ手応えは十分だ。またプリンシパルSを制したベルキャニオンは、美浦Wで軽快な走りを披露し好調をアピールした。29日、出走馬18頭と枠順が確定。馬券は30日に一部ウインズで前々日発売される。
何度この時を迎えても、胸の高まりは変わらない。武豊にとってダービー参戦は今回で実に25度目となる。既に5度も勝利の美酒を味わっているが、思いは年々熱くなるばかりだ。「競馬サークルに生まれて、小さいころからダービーは特別なレースだった。毎年出たいし、何度でも勝ちたい」。数々の栄光を手にしてもなお、少年のように目を輝かせて力強く言い切る。
今年は新馬戦から全4戦でコンビを組むトーセンスターダムで挑む。デビューから3連勝できさらぎ賞を制したが、皐月賞は11着。「前走は今までで一番というくらい落ち着いていたし、行きっぷりも良かった。ただ、3コーナー過ぎから全然だったね」。開催が進んで荒れた馬場に大きくバランスを崩し、持ち味の力強い末脚は不発に終わった。
前走で初黒星を喫したが、天才に悲観の色はない。「大敗したし、今回は伏兵扱いだろうけど、着順ほど勝ち馬と離れていない。力負けとは思わない」と前を向く。0歳時から遊んでいたという幼なじみの池江師と挑む初の競馬の祭典。デビュー前からダービー制覇を合言葉に競馬を教えてきた。「ダービーから逆算したローテで来ている。皐月賞上位組は強いが、勝てないことはない」と力強い。
昨年はキズナで制覇。98年スペシャルウィーク‐99年アドマイヤベガに続く、前人未到となる2度目の連覇の偉業もかかる。「その権利を持っているのは僕だけ。他のジョッキーに嫌われるくらい勝ちたいね」。史上最多となる6度目のダービー制覇で、競馬界に新たな金字塔を打ち立てる。