【ダービー】キャニオン理想枠でV獲り
「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
これが良血の底力なのか。中2週続きのローテにも音を上げることなく、上昇カーブを描いてきた。美浦Wで単走追いのベルキャニオンは29日、馬任せの走りで4F53秒4‐38秒1‐12秒9。派手さはなくとも、軽快な脚さばきで駆け抜けた。
手綱を取った戸崎圭は思わずニンマリだ。「前走(プリンシパルS=1着)から間もないから、状態を維持できていればと思っていたけど…。こちらの想定よりパワーアップしていますよ」と目を丸くする。疲れどころか、むしろ上積みがあるのだからジョッキーが驚くはずだ。
「最悪、使うだけになるかもしれないと思っていた」とタイトな日程による消耗を懸念していた橋本助手も、想像以上の気配に思わず頬を緩めた。「きょうは折り合いと、最後に気を抜かないかの確認。課題は全てクリアしていた。前走よりもはるかにいい仕上がり。フィジカル的には今までで一番良かったスプリングSと遜色ない」と前向きなコメントがズラリと並ぶ。
枠順は5枠10番に決定した。「駐立は良くなっているが、まだゲートの中で首を振るので、後入れの偶数はいい」と理想通り。デビュー時から“クラシック候補”と騒がれていたディープインパクト産駒が大舞台で一発を狙う。